年いちブロガー(笑) 12/15 マスタリングありがとう2017

今年最後のポストです。

今年のスタイルっていうかな、1年間実際に活躍したマスタリング・プラグインを紹介させていただきます。

といっても紹介すべきものがあまりないのだよ(出オチみたいですまないね)

UAD brainworx bx_DIGITAL V3

EQは基本これです。使えば使うほどよくできてるEQだと思います。キモは3点。

このケースではオフっちゃってますが、画面左下のBass Shift、Presence Shift。それぞれ中低域、高域を全体的に盛ったり、逆に削ったりします。周辺の帯域がダッキング(ちょっと意味違うw)するのが特徴でポイントでEQするのと違ってごく自然な帯域シフトを行えます。

真ん中上はステレオに広げる装置。エフェクト効果という考え方じゃなく、ふわっと広げる用途です。広げてどうだ良くなっただろ!っていう意味じゃなく、有り無しくらべたらアリだよね~くらいの優しめの効果を狙う。

立ち上げた時点のデフォルトでMSモードになってるんですが、私はこれ一本でほとんど音を作り終えるのでもっと具体的な使い方します。ほとんどの場合ここをステレオモードに切り替える。2ミックスに対するMS処理は音像をボケさせることもあります(と、言いつつ画像はMSモードw)。

 

Acustica Audio SCARLET 3

サンレコの対談でも話題に上がったAcusticaですが、私の推しメンは今のところこれです。と言いつつ「私は使っていますよ~」というだけで万人にはお勧めしません。何故ならスーパー激重だからです。まぁまぁ高性能のPCで使えて4個~8個、調子が悪い時は2個でもばんばんDAWがシャットダウンしますw

いまどき辛いですよ、挿したら落ちるとか、ちゃんと読んでるのに音が鳴らないとか、逆にアプリ再起動すると直るとか、、、、

そんな音楽以外の部分でたゆまぬ努力を強いられても尚、これにしがみつく理由はそれだけ音のクオリティが凄いからです(私にとって、ですがね)。特に左右に設けられたハイ&ローのシェルフ。他のプラグインでは聞いたことが無いようなナチュラルかつ芳醇な効果が得られます。

バシバシ落ちる以外に重大な問題がひとつあります。構造的にIRデータ参照型のプラグインなので、音(ファイルデータ)が入力されたらまずIRを読みに行ってます。行って帰ってくるのにごく短い時間ですがタイムラグが生じるので、曲頭に無音部分が設けられていない、ゼロからがっつり始まる曲なんかは変なフェードイン状態になります。

「頼むから入稿ファイルは曲頭に無音部分つけてよ~」

「いつかのサンレコにそう書いてあったでしょ~(+o+)/」

です(笑)

このほか、UAD Millenia NSEQ-2  や、UAD Dangerous BAX EQ なども塩コショウ程度に挿したケースもありました。塩コショウとは全体を「なんとなく明るくしたい」とか、「なんとなく重くしたい」など、音作りというより空気感づくりで使用した感じです。これらはプラグイン版のBrainworxから同じ製品が出ているものもあります(UADカードのDSPを介さない通常のプラグインタイプ)。私がUAD類を多く使う理由は信頼しているからというのもありますが、先のお姫様スカーレット嬢になるべく演算のリソースを明け渡したいからです。

 

そろそろ気になるコンプ類…

以前紹介したUAD API2500、SSL G-Bussなどをルーティンに組み込んでいます。自分でミックスした曲でない場合はOZONEのマルチバンドコンプ、ダイナミックEQなども併用するケースもあります。が、ここもクリエイティブというより、雰囲気を変えるなどの目的が強めなので省略。

UAD STUDER A800 OXIDE TAPE なども使用しました。この辺は長年の録音技術が蓄積されているファクターなので下記動画を参照することをお勧めします。技術力の高いモデリング・プラグインなので少し時間をかけてもスタンダードを学んだ方がうまく扱えます。

UAD(フックアップ)はこういった使い方動画を日本語字幕付きで用意してくれていて助かります。

テープサチュレーション系はここぞという時には神がかり的に効きますが、マスタリング工程での使用頻度としては減少傾向にあります。安価で扱いやすい倍音付加コンプみたいな製品が増えたおかげで、ミックス段階でそれらが使用されていて、マスタリングでは必要ないケースが増えているからです。

 

リミッター・マキシマイザー…

fabfilter Pro-L 2

先日メジャーアップデートしたPro-Lです。日本より海外での評価が高いように思います。バージョン2になってよりひずみ感の少ないリミッティングが可能になりました。現状、私のリミッターの選択肢はA.O.M. Invisible LimiterとPro-Lの2択です。Invisible LimiterもG2になりましたが、それぞれにより個性が強くなって面白い製品だと思います。

使い方のポイントは囲みのSTYLEを切り替えながら試すこと。ここもバージョン2から選択肢が増えましたが、私はだいたいDynamicかPunchyです。右の囲み、ディザーを付けられますが、マスタリングでは別途ディザーを用意しているのでここではかけません。

ディザーのこと…

ディザーに対する理解は日本だとまだ低いといえますが、注意点がひとつ。マスタリングの最終工程でビットを変えてファイルを書き出す際、ディザーが必要になります。これをミック用データの書き出し時や、ミキシングが終わって最終書き出しで入れてしまうと、マスタリングで2重にディザーをかけることになります。簡単に言えばディザーは「アナログ信号のPCM変換に対する逆算ノイズ」みたいなものですので、1ファイルに対して1回にとどめることが望ましいです。

*こだわりのある方の中にはディザーを最後まで入れない、という方もいらっしゃいます。個人的には論理的観点からも最後は入れたいので、私のマスタリングではご要望を頂かない限り入れるようにしています。

まとめると、

  • デモ出しなんかの2ミックスはディザーOK(なくても良い)。
  • ミックスが終わってマスタリング入稿用の2ミックスを作るときはディザーは外しましょう(かつビットレートを変えない)

です。

ディザーについて圧倒的に勉強したい方は

こちらの動画が分かりやすくておススメです(英語がわからなくてもなんとなく見てるだけでOK)。

 

マスタリング系はこの1回で終わりです。

マスタリング工程ではほとんどの場合2ミックスのファイルを扱うことになります。たとえばEQを0.2dbブーストするでも、各々のチャンネルが独立しているミックス工程とは違って全体の大きな変更になります。信じられないかもしれませんが、0.5dbとかまぁまぁ積極的な変更です。そのぶん各プラグインには細かさと正確さが求められます。またリスナーが耳にするファイルを直接作る工程でもあるので、ファイルの規格やレベリングに対しても厳格に取り組む必要があります。

って、言うは言うんですが…

特にレベリングは配信関係だと厳しいとされていますが、実際にサービス上に乗っかっているファイルがトゥルーピークなどあまり気にしていると思えないくらいキッチリ止まってないものが数多く見受けられます。もうそろそろこのトピックが各国のエンジニアの意識に浸透していないというのも考えにくいですし、今後だんだん直っていくのか、皆無視し続けるのか、引き続き気になる部分ではあります。

ではではよいお年を~

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