REMIX用データ作成のハウツー

クリエイターにリミックスを依頼する際、また受けるにあたってどのようなファイルを用意すれば(してもらうと)円滑に作業が進められるか少し書いてみようと思います。

リミックス・リアレンジをお願いする側、受ける側が同じDAWを使用しているのであれば、プロジェクトファイルをそのまま送っても良いと思いますが、それでもプラグインの互換やDAWそのもののバージョンが違って完全に再現できないなど、不具合はつきものです。先方の作業環境など確認できない(聞けない場合も少なからず…)場合、下記のようにWAVファイルを準備できるとその後の作業が円滑になります。

ファイル表

上から簡単に説明します。

〇Acapella ; アカペラです。ここをリードボーカル、バッキングボーカル(コーラス、ハモなど)に分ける場合もあります。ほとんどの場合このファイルは使用するのでファイル名に楽曲のテンポも記入しておくと親切です。

〇Original Inst ; オリジナルバージョンのインストです。リミックスなので必ずしもではありませんが、あれば作業中に参考にできることは多くあります。これも曲のテンポを記入しておくと親切です。

〇Bass DI ; バンド収録などの場合、ダイレクトボックスを使用した(トラック名に”DI”と書かれていることが多い)ライン録音と、アンプにマイクを立てて収録したものが2チャンネルあることが多くあります。位相がずれている場合があるので、ラインとマイクを別々に用意するか、またはラインだけでも良いと思います(必要であればリミキサーが改めて音作りしてくれます)。上記のケースではライン録音(DI)のチャンネルのみ書き出しています。

〇Brass, EG (=Electric Guitar) ; いわゆるウワモノです。曲のキーになる音色などは個別にまとめてステム化します。この際に使用しているエフェクターやプラグインなどはバイパスしても構いませんし、ここは先方の好みで分かれるところです。ただ再現が難しそうな音色やニュアンスであればエフェクト込みで書き出した方が親切とは思います。

〇Original Configuration ; 少し特殊なMIDIファイルです。曲のマーカー情報やテンポなどが書き込まれています。これを自分のDAWに読み込めば、オリジナルバージョンのマーカー位置やテンポが再現されるという仕組みです。MIDIで書き出すのが難しければテキストファイルで構成表などを添付している方も多くいらっしゃいます。かならず必要なものではありませんし、むしろ無い場合が多いですが、あったらかなり便利です。

*上の画像にはドラムのステムミックスがありませんが、曲調によるものです。必要であれば作成します。

 

書き出すファイルのフォーマット

〇ビットレート・サンプリングレート ; 特に決まりごとはありません。バンドものや音質にことさらこだわりのあるクリエイターさんだと24bit 96kHzのWAVファイルが多いです。打ち込み系の方は24bit(または32bit)48kHzのケースがほとんどです。個人的にですが、ハウス・テクノやヒップホップに関しては44.1kHzでも良いと思っています。音質が悪くてもよいということではなく、その方がパンチがあって曲に合った音像になることがあるからです。

〇ステレオ・モノラル ; どのDAWも多ボイスを扱えるようになっていますから、基本的にステレオで良いと思います(ステムは基本ステレオです)。ギター、ベースなどはモノラルファイルが良いケースもありますが、個人的には昔ほど気にしていません(笑)

〇ファイルの長さ ;  各ファイルは同じ長さで書き出しましょう。少なくとも各ファイルの冒頭が曲のスタート地点に揃っていると親切です。リミックスコンテストなどでは各音色やパーツを細切れに提供している場合もあります。転送するファイルのサイズが小さくなるなど利点がありますが、オリジナル楽曲の構成などの再現(つまりリミックス作業のスタート地点)は難しくなります。

 

以上、ざっくりとですがリミックス、リアレンジを依頼する(または受ける)際に必要になるであろう項目をまとめてみました。最後に、こういった場合レコーディングしたもの、ミックスが終わったセッションなどのデータを全て送る(開示する)のが礼儀ではありません。データを送るということは、相手はそれをダウンロードなりなんなりで受け取り、さらに各音色を整理するわけですから、必要なものをなるべく小さいサイズで、分かりやすくまとめて送ることに留意しましょう。

プロジェクトによってさまざまなケースがありますし個々の意見、またクリエイターの世代感でもそれぞれあるところです。これが正解ではありませんが、何をやっていいかわからない、ファイルの作成に迷うようであれば、参考にしてもらえれば過不足ないデータが作成できると思います。

 

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