世間ではableton PUSH2が話題のようですが、PUSHの話です。

*以下、個人的にはナウいのですがネタ自体は結構古いと思います。日本語での紹介がなかったようなのでご興味ある方の参考になれば幸いですすす。

では本題。PUSH(またはPUSH2)に搭載されているスケールパッドモードがあらためてとても優秀だということで、Cubaseで使えないかな~と思って調べたら方法がありました。もともとPUSHはableton Liveでしか認識しないMIDIコントローラーですが、PXT-General(Windows、Mac OS対応)というアプリケーションを介することで他のDAWでもMIDIコントローラとして使用できるようです。

"PXT-General"

pxt

初期状態でスケールモード、ドラムモードが設定されているので、パッド自体はDAWで認識できればすぐに使えます。ツマミ、その他のボタンはOctave±、ピッチベンド、モジュレーションなどあらかじめ設定されているものもあれば、自分で自由にカスタマイズできるものもあり、逆に便利です。

DSC_0087

LCDスクリーンにもキーとモードなど必要な情報が表示されセレクトボタンで選択可能となっています。

キャプチャ

Windows OS(私は8.1です)の場合は上画像のような仮想MIDIポートを設定できるアプリケーションが必要です。PXTのサイトではLoopMIDI(ドネーションウェア)が推奨されていたのでこれをインストールしました。>>Loop MIDI

仮想なんちゃらと言われると面倒な感じがしますが、MIDI情報は

PUSH→PXT General→LoopMIDI→DAW

のような信号の流れになるので、LoopMIDI、PXT GeneralそれぞれのMIDIの入出力を上画像のように設定してしまえば、Cubaseの場合は自動で認識し、PUSHが使えるようになります。DSC_0089Ableton Live上でPUSHを使用した場合のスケールモードと同等の使用感はもちろん、モード選択でDrumを選べば16パッドx4の64パッドモードでドラムを叩けます。Cubase純正のGroove Agentなどもこれで叩けるので個人的にかなり便利になりました。

ここのところ色々な製品が出てるのもあって何か良いMIDコントローラーはないかなとあらためて探していました。それで回帰的な意味も含めて64パッドがあるじゃないと。。。数ある入力パッドの中でも鍵盤的演奏もできるPUSHがあるじゃないと。。。PUSHだとコード弾きも簡単だし、スケール管理された64パッドって変なパターンとか、普段思いつかないフレーズが出やすいんですよね。PUSH2が出たおかげでPUSHが値下がりしてますし、もう良い事しかない(笑)。つまみ類もおいおい設定して、これひとつでいろんな操作、入力が出来るようになればと思っています。

*余談ですがこのシステム、PUSH2にはまだ対応していないようです。

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iZotope Ozone7とFabFilter Pro-L、A.O.M. Invisible Limiterの聞き比べと、生成ファイルの逆相差分を取りました。

*逆相差分というのは二つのオーディオファイルの片方を逆相にし再生することで、双方の音の違いをオーディオとして生成することです(簡単に言うと)

最近のマキシマイザーは設定項目も多く、同じような処理はほとんど無理なので、生成されるファイルは違っていて当たり前なのですが、-7.6LUFSあたりでレベルをそろえつつ、かなり潰した状態で作ってみました。

元のビートはキックベース入りのトラップです。ご興味あるかたの参考になれば幸いです。

Ozone7とPro-Lの逆相差分

Ozone7とInvisible Limiterの逆相差分

Pro-LとInvisibleの逆相差分

Ozone7→Pro-L→Invisible Limiter(1小節ごとの聞き比べ)

それぞれ8小節ずつ同じLUFS(聴感上のボリューム)で再生したもの(オリジナルファイル→Ozone7→Pro-L→Invisible Limiterの順)

興味深かったのが、Invisible Limiterはステレオ処理モードであってもMS寄りというか、音圧もさることながら左右に広がりが出るようです。人間の聴覚は左右に広がれば音源がより良く聞こえる傾向がありますが、これが自動的に行われることを良しとするか否かは人によって好みの別れるところかと思いました。またInvisibleは中低域が優先的に織り込まれるようで、だんだん潰していくと歪み始めるのが他の製品より早いですが、これがサチュレーション的に歪むため嫌な感じではありません。左右に広がることでアタック感が維持されることとの相乗効果で、強く潰しても格好良くパンチが残っているという印象でむしろ現代的と感じました。

Pro-LもInvisibleと似たような傾向ですが、左右への広がりは元のファイルに近い感じです。こちらの方が素直に音圧が上がったという印象でした。周波数的なバランスはInvisibleに近く、ひろがり感はOzoneっぽい、骨太でかつ品位も感じさせる点が好印象でした。

Ozoneはこれらと逆の傾向というか、中高域を重点的に綺麗に織り込んでいる印象でした。耳につきやすい周波数帯の、元のバランスを出来る限り変えないという点では最も優秀に思いました。ただし超低域から低域にかけてサクッとしてる(笑)ので、叩きつける感じは少し薄くなるようです。オトナです。

最終的にPro-LとInvisibleはマスタリングで使えるかな?とは思いました。「ガッチリ変えちゃってください!」というオーダーであれば単純に格好良くなるのでこれらを使用しますが、海外含め最近はミックス段まででご自分でかなり作りこまれて、「あまり変えずに音圧だけ整えたい」という方も多くいらっしゃいます。なので個人的なプロジェクトであればいちばん好みだったInvisible Limiter、US寄りな感性をお持ちのクライアントさんなら腰の座ったPro-L、ハイエンド指向の日本国内、欧州寄りのお客様であればオトナのOzone7なのかなというところです。

izotope Ozone 7

FabFilter Pro-L

A.O.M. Invisible Limiter

クリエイターにリミックスを依頼する際、また受けるにあたってどのようなファイルを用意すれば(してもらうと)円滑に作業が進められるか少し書いてみようと思います。

リミックス・リアレンジをお願いする側、受ける側が同じDAWを使用しているのであれば、プロジェクトファイルをそのまま送っても良いと思いますが、それでもプラグインの互換やDAWそのもののバージョンが違って完全に再現できないなど、不具合はつきものです。先方の作業環境など確認できない(聞けない場合も少なからず…)場合、下記のようにWAVファイルを準備できるとその後の作業が円滑になります。

ファイル表

上から簡単に説明します。

〇Acapella ; アカペラです。ここをリードボーカル、バッキングボーカル(コーラス、ハモなど)に分ける場合もあります。ほとんどの場合このファイルは使用するのでファイル名に楽曲のテンポも記入しておくと親切です。

〇Original Inst ; オリジナルバージョンのインストです。リミックスなので必ずしもではありませんが、あれば作業中に参考にできることは多くあります。これも曲のテンポを記入しておくと親切です。

〇Bass DI ; バンド収録などの場合、ダイレクトボックスを使用した(トラック名に"DI"と書かれていることが多い)ライン録音と、アンプにマイクを立てて収録したものが2チャンネルあることが多くあります。位相がずれている場合があるので、ラインとマイクを別々に用意するか、またはラインだけでも良いと思います(必要であればリミキサーが改めて音作りしてくれます)。上記のケースではライン録音(DI)のチャンネルのみ書き出しています。

〇Brass, EG (=Electric Guitar) ; いわゆるウワモノです。曲のキーになる音色などは個別にまとめてステム化します。この際に使用しているエフェクターやプラグインなどはバイパスしても構いませんし、ここは先方の好みで分かれるところです。ただ再現が難しそうな音色やニュアンスであればエフェクト込みで書き出した方が親切とは思います。

〇Original Configuration ; 少し特殊なMIDIファイルです。曲のマーカー情報やテンポなどが書き込まれています。これを自分のDAWに読み込めば、オリジナルバージョンのマーカー位置やテンポが再現されるという仕組みです。MIDIで書き出すのが難しければテキストファイルで構成表などを添付している方も多くいらっしゃいます。かならず必要なものではありませんし、むしろ無い場合が多いですが、あったらかなり便利です。

*上の画像にはドラムのステムミックスがありませんが、曲調によるものです。必要であれば作成します。

 

書き出すファイルのフォーマット

〇ビットレート・サンプリングレート ; 特に決まりごとはありません。バンドものや音質にことさらこだわりのあるクリエイターさんだと24bit 96kHzのWAVファイルが多いです。打ち込み系の方は24bit(または32bit)48kHzのケースがほとんどです。個人的にですが、ハウス・テクノやヒップホップに関しては44.1kHzでも良いと思っています。音質が悪くてもよいということではなく、その方がパンチがあって曲に合った音像になることがあるからです。

〇ステレオ・モノラル ; どのDAWも多ボイスを扱えるようになっていますから、基本的にステレオで良いと思います(ステムは基本ステレオです)。ギター、ベースなどはモノラルファイルが良いケースもありますが、個人的には昔ほど気にしていません(笑)

〇ファイルの長さ ;  各ファイルは同じ長さで書き出しましょう。少なくとも各ファイルの冒頭が曲のスタート地点に揃っていると親切です。リミックスコンテストなどでは各音色やパーツを細切れに提供している場合もあります。転送するファイルのサイズが小さくなるなど利点がありますが、オリジナル楽曲の構成などの再現(つまりリミックス作業のスタート地点)は難しくなります。

 

以上、ざっくりとですがリミックス、リアレンジを依頼する(または受ける)際に必要になるであろう項目をまとめてみました。最後に、こういった場合レコーディングしたもの、ミックスが終わったセッションなどのデータを全て送る(開示する)のが礼儀ではありません。データを送るということは、相手はそれをダウンロードなりなんなりで受け取り、さらに各音色を整理するわけですから、必要なものをなるべく小さいサイズで、分かりやすくまとめて送ることに留意しましょう。

プロジェクトによってさまざまなケースがありますし個々の意見、またクリエイターの世代感でもそれぞれあるところです。これが正解ではありませんが、何をやっていいかわからない、ファイルの作成に迷うようであれば、参考にしてもらえれば過不足ないデータが作成できると思います。